トレンドマイクロでは2020年上半期(1~6月)における国内外での脅威動向について分析を行いました。2020年、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって、世界に大きな変化がもたらされることは、誰も予想していなかったことでしょう。コロナ禍が及ぼした大きな影響は、実世界においてもサイバー世界においても「新たな日常」となりました。サイバー犯罪者はこの状況を利用し、メール、ソーシャルメディア、不正サイト、偽アプリなど、幅広いプラットフォームでさまざまな手口を駆使した攻撃を次々に展開しました。特にこの上半期の期間、国内におけるフィッシング詐欺は過去最大規模となりました。これは多くの利用者において、ネットワークアクセスに費やす時間が長くなっていることなども影響しているものと考えられます。
トレンドマイクロは世界27か国、1万3,200人のテレワーカーを対象に行った聞き取り調査「Head in the Clouds」の結果をまとめました。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的なパンデミックの感染被害は「コロナ禍」と呼ばれるほど、我々の生活に大きな影響を与えています。世界各地で都市封鎖(ロックダウン)や外出制限が行われ、多くの企業組織では従業員をテレワークに順応させざるを得ない状況となり、多くの従業員が自宅からの勤務を余儀なくされています。このコロナ禍による勤務体系の大きな変化に合わせて、多くの企業組織はテレワークの恒久化を本格的に導入する可能性があります。これが現実化した場合、サイバーセキュリティに大きな影響を与えることになります。企業組織のセキュリティ対策において従業員、つまり「人」が最終的な脆弱性となることはしばしば指摘されていますが、在宅勤務で働く従業員は、さらに大きな責任を負うことになるのでしょうか。
残念なことに、トレンドマイクロが行った調査では、ロックダウン中に多くの人がサイバーセキュリティに対する意識を向上させているにも関わらず、セキュリティポリシーに対する理解不足やリソースの制約により社内規定を破っていたことが明らかとなっています。ユーザのセキュリティ意識を向上させる目的で訓練強化を検討する最高情報セキュリティ責任者(CISO)は、訓練対象者が持つ個人の特徴に合わせてセキュリティ戦略を割り当てることで、訓練における有効性を向上させることができます。
続きを読むトレンドマイクロでは最近、2種のLinux向けボット型マルウェアにおいて、露出したDockerサーバを狙う活動を確認しました。確認されたマルウェアは分散型サービス妨害(DDoS 、Distributed Denial of Service)の実行を目的とした「XORDDoS」(トレンドマイクロでは「Backdoor.Linux.XORDDOS.AE」として検出)と「Kaiji」(トレンドマイクロでは「DDoS.Linux.KAIJI.A」として検出)です。 (さらに…)
続きを読むGoogle Chromeの拡張機能が、ユーザのアクティビティ履歴の追跡と個人情報の窃取を目的とした不正活動で使用されていたことが、セキュリティ企業「Awake」によって報告されました。この不正活動のコマンドアンドコントロール(C&C)のインフラとして、正規レジストラで取得したドメインを使用している不正なChrome拡張機能111個が3カ月間で確認されました。2020年5月初旬の調査時点で、これらの不正な拡張機能は約3,300万件ダウンロードされていました。トレンドマイクロでも同様の手法を使う攻撃のレポートを2020年5月に報告しておりましたが、不正なブラウザの拡張機能の利用と攻撃のためのインフラについて共通点がありましたので紹介します。 (さらに…)
続きを読む8月に入っても新型コロナウイルス(COVID-19)の感染被害はまだ衰えを知らないようです。コロナを前提とした新たな生活様式が叫ばれる現在、在宅業務などのテレワークはWindows PCだけでなく、Macを使用して行われる場合もあります。企業が所有するMacをオフィスから自宅に持ち帰り仕事に使用する場合は、IT部門が企業のセキュリティポリシーに準拠させた形で既にMacを設定していることでしょう。しかし個人で所有するMacを仕事で利用する場合、どのような対策を講じればいいでしょう。継続的に円滑な業務遂行を確保する一方で、マルウェア感染や不正な情報詮索などの脅威からMacおよび企業を保護するには、企業の定めるセキュリティの基本方針に則る必要があります。
本記事は、Macを利用したテレワークで安全にプライベートと生産性を維持するための21の推奨事項を紹介します。また、業務中に問題が発生した場合に備えて、個人用の「ヘルプデスク」が設置されていることを確認しましょう。
続きを読むトレンドマイクロは、「Mirai」系IoTマルウェアの新しい亜種(「IoT.Linux.MIRAI.VWISI」として検出)を確認しました。この亜種は、「SORA」、「UNSTABLE」、「Mukashi」など過去数カ月の間に出現したMiraiから派生した亜種に新たに追加されるものとなります。この亜種は9つの脆弱性を利用する機能を備えていますが、中でも特にComtrend社製 VR-3033ルータの脆弱性(CVE-2020-10173)を利用対象に加えている点が注目されます。この脆弱性の利用は、過去のMiraiとその派生系の亜種では見られなかったものであり、IoTマルウェアを使用するサイバー犯罪者がマルウェアに新しい脆弱性を加えることによって、攻撃対象を拡大し続けていることを示しています。 (さらに…)
続きを読む従来からのマルウェアの攻撃手法は、マルウェア本体である細工が施された実行ファイルに依存していました。一方、近年増加している「ファイルレス活動」を実行するマルウェアは、感染システムのメモリ内に常駐することで、ファイルを検索対象とした従来型スキャン機能や検出方法を回避します。Windowsの標準機能である「PowerShell」は通常、システム管理の目的で利用されます。しかし同時に、Windows向けのマルウェアを作成する攻撃者にとっても、ファイルレス活動などの実現に利用できる好都合な機能となっている実態があります。トレンドマイクロでは、ファイルレス活動に関する複数のレポートを公開し、上記の事実を検証してまいりました。本記事ではWindowsの標準機能であるPowerShellを悪用する攻撃者側の手法とその対策についてまとめます。
続きを読むトレンドマイクロは、サイバー攻撃グループ「Earth Empusa(別名POISON CARPあるいはEvil Eye)」の追跡調査中、新しいAndroid端末向け不正アプリ(スパイウェア)「ActionSpy」(「AndroidOS_ActionSpy.HRX」として検出)を確認しました。Earth Empusa は、2020年第1四半期にはチベットとトルコのユーザをターゲットとして活動し、その後、攻撃対象に台湾を加えたものとされています。また、Earth Empusaによる攻撃キャンペーンは、AndroidとiOS双方のモバイル端末を攻撃対象とし、ウイグル語を使用するユーザを狙うことが報告されています。この攻撃グループは水飲み場攻撃を利用することで知られていましたが、トレンドマイクロでは、フィッシング攻撃の誘導によってマルウェアを配信する攻撃手法も確認しました。 (さらに…)
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