ソフトウェア開発のビルドからテスト、そしてデプロイまでを自動化するオープンソースの継続的インテグレーション(CI)ツール「Jenkins」は、DevOpsなどの開発者に広く利用されています。Jenkinsのモジュール型アーキテクチャは、基本となる機能に「プラグイン」を追加して拡張することによって最大限活用できる仕組みになっています。Jenkinsコミュニティが提供するプラグインのサイト「Plugins Index」では、本記事執筆時点で1,600以上のプラグインが公開されています。しかし、公開されているプラグインの一部は、認証情報を暗号化せず、プレーンテキスト形式で保存することが確認されています。この状態では、情報漏えいが発生した場合、この認証情報を攻撃者に不正利用され、企業の機密情報へ知らぬ間にアクセスされる可能性があります。Jenkinsでは以前にCVE-2018-1000861などの脆弱性を利用した攻撃により不正マイニングやランサムウェア感染といった被害が発生しており、速やかな対応を推奨いたします。
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トレンドマイクロは、人気のあるオープンソースの自動化サーバ「Jenkins」の初期設定で、限られた権限のユーザが管理者権限を取得し、遠隔から任意のコードを実行できる可能性があることを確認しました。本記事では、このセキュリティ課題の詳細と想定される攻撃シナリオについて解説します。
■「Jenkins」とは
Jenkinsは、ソフトウェア開発チームのDevOpsにおいて開発側の作業を管理するために使用される人気のあるオープンソースの自動化サーバです。Jenkinsは、継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI / CD)プロセスにおいてソフトウェアプロジェクトを自動的にビルドすることが可能です。このようなタスクはジョブと呼ばれます。
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クラウドベースのシステムが企業の業務やインフラでの重要な構成要素となる中、攻撃者はクラウド環境に目をつけ、クラウド環境の脆弱性を突いてさまざまな攻撃を仕掛けています。その種類は、情報窃取、諜報活動、DDoS攻撃など、多岐に及びます。
最近の傾向としては、クラウドのリソース、特にクラウドインスタンスのCPUを利用して暗号資産をマイニングする攻撃グループが増加しています。なお、CPUマイニングに適したリターンが得られる暗号通貨として現在では「モネロ」が好まれています。この傾向については、トレンドマイクロのリサーチペーパー「浮遊する戦場:クラウドを狙う暗号資産マイニング活動の脅威」で詳しく説明しています。
続きを読む送信データに対する暗号化の必要性から、法人組織はTLSを頼りにするようになっています。これはインターネットを介してデータを送信する場合だけでなく、信頼された企業環境の中でも言えることです。TLSやSSLを使用しない場合、送信されたデータの真正性とエンドポイントのアイデンティティを検証することはできません。
本ブログ記事では、構成が不適切なAzure DevOps Server 2020に対するサプライチェーン攻撃について解説します。特に、継続的インテグレーション/継続的デリバリ(CI/CD)パイプラインエージェントがTLSを使用せず通信する場合の技術的な詳細を説明します。本ブログの公開に先立ち、トレンドマイクロはMicrosoft社に連絡を取っており、サプライチェーン攻撃のリスクを軽減するために同社が推奨するベストプラクティスについてもご紹介します。
続きを読む2021年初旬、共通脆弱性識別子「CVE-2021-41773」が割り当てられたセキュリティ上の弱点が「Apache HTTP Server Project」に公開されました。これは、Apache HTTP Serverのバージョン2.4.49に内在するパストラバーサルおよびリモートでコードが実行される(RCE)脆弱性です。この脆弱性が悪用されると、攻撃者はエイリアスのようなディレクティブにより構成されたディレクトリ外のファイルにURLを関連付けることが可能になります。また、エイリアスされたパスに対してCGI(Common Gateway Interface)スクリプトが有効になっている特定の設定下では、攻撃者がこの脆弱性をリモートコード実行に悪用する可能性もあります。最初にリリースされた修正(2.4.50)では不十分と判明した後、この修正に対するバイパスが報告されたことから、「CVE-2021-42013」として追跡調査が行われました。
その後、公式に修正されたバージョン(2.4.51)が、Apache HTTP Server Projectによってリリースされました。ただしトレンドマイクロでこの脆弱性を悪用する検体を分析したところ、攻撃者が暗号資産(旧仮想通貨)「Monero(XMR)」の不正マイニングを実施するために、脆弱な製品やパッケージに内在するさまざまな弱点を狙って、これらの脆弱性を突くエクスプロイト(脆弱性攻撃ツール)の多くを悪用していることを確認しました。本ブログ記事では、暗号資産採掘ツール(コインマイナー)やスクリプトをホストするためにGitHubおよびNetlifyのリポジトリやプラットフォームが悪用された手口について解説します。トレンドマイクロは今回確認した不正活動についてすでにGitHubおよびNetlifyに報告しており、問題のアカウントには停止措置が取られています。
続きを読む最近、比較的新しいクラウドサービスプロバイダ(CSP)をターゲットにして暗号資産のマイニングやクリプトジャッキング攻撃を行うLinuxマルウェアの脅威の新たな手口が確認されました。この記事では、Huawei Cloud向けアプリケーションやサービスを削除する不正コードを利用するLinux向けマルウェアの新たな手口について説明します。この不正コードは、セキュリティ問題の検出、システムの保護、エージェントの監視を行うHuawei Cloud Linuxのエージェントプロセスである「hostguard」のサービスを無効化します。さらに不正コードには、パブリックイメージにデフォルトでインストールされているElastic Cloud Service(ECS)インスタンスのパスワードをリセットさせる「CloudResetPwdUpdateAgent」というオープンソースのプラグインエージェントも含まれています。今回確認された不正コードのシェルスクリプトがこれら2つのサービスを含んでいることから、攻撃者はHuawei Cloudの脆弱なECSインスタンスを標的にしていることが推測されます。
図1:Host-guardを無効化し、CloudResetPwdUpdateAgentプラグインエージェントを使用してECSインスタンスのパスワードをリセットする不正コード
続きを読む脅威の侵入口となる脆弱性は、比較的新しいものであっても脆弱性悪用ツール(エクスプロイト)を駆使する攻撃キャンペーンの格好の標的となります。本稿では、マルウェアがどのようにサーバの脆弱性を狙っているかについて解説します。具体的には、Atlassian Confluenceサーバに存在するWebwork Object-Graph Navigation Language(OGNL)インジェクションの脆弱性(CVE-2021-26084)およびOracle WebLogicサーバに存在する3つの脆弱性(CVE-2020-14882、CVE-2020-14750、CVE-2020-14883)への調査結果について説明します。また、企業や組織のセキュリティ部門が自社のワークロードのセキュリティを確保するための推奨事項についても説明します。
続きを読む【追記情報:2021年12月21日(火)】Log4j2の新バージョン2.17.0がリリースされています。影響を受ける環境をお持ちの方は、出来る限り早くこのライブラリを更新することを検討してください。
Java向けのログパッケージとして広く利用されているApache Log4j上に存在する脆弱性が発見されました。この脆弱性は、細工したログメッセージを送信することで任意のコード実行が可能になります。すでにCVE-2021-44228として採番され、「Log4Shell」という名前が付けられています。この脆弱性は、2021年11月24日にApache上での存在が非公開で報告され、2021年12月9日にLog4jのバージョン2.15.0において、修正パッチが適用されました。この脆弱性は、Log4jのライブラリを使用する広範囲の製品に影響します。この脆弱性については既に12月11日の記事で第一報をお知らせしていますが、本記事ではこの脆弱性を悪用する手法と攻撃事例について報告します。
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