2016 年はランサムウェアが世界中で猛威を振るい、個人・法人を問わず多くのユーザがその脅威にさらされました。トレンドマイクロが 2016 年 8 月に国内法人ユーザを対象に実施した「企業におけるランサムウェア実態調査 2016 」の結果からも、約 4 人に 1 人が「自組織がランサムウェアの攻撃に遭ったことがある」と回答しており、深刻な実状が浮き彫りになっています。2017 年に入っても「WannaCry」による被害が世界中で発生するなど、引き続きランサムウェアは法人組織にとって深刻な脅威です。今回はこうしたランサムウェアの歴史を振り返るとともに、最新の脅威状況を踏まえ、今後予測される動向について解説します。
続きを読む仮想環境で解析を行うサンドボックス技術は、ネットワークの最終防衛ラインであるエンドポイントセキュリティ対策製品が広く採用する仕組みです。砂場という名称の通り、サンドボックスはマルウェアや疑わしいファイルがルーチンを実行するなど、自由に振る舞うことのできる仮想環境です。マルウェアを仮想環境で実行してその実際の活動を既存の振る舞いやルーチンのパターンと比較分析し、悪意の有無を判定します。このように、システムのインフラストラクチャに被害を与える恐れのある信頼できないファイルを隔離し、エンドポイントセキュリティをより確かなものにします。
続きを読むMicrosoft社は、2017年4月12日(日本時間)、月例のセキュリティ更新プログラムを公開しました。この更新プログラムに含まれる脆弱性の中でも、特に Microsoft Office の脆弱性「CVE-2017-0199」に関しトレンドマイクロでは、4月10日以降にゼロデイ攻撃が発生していたことを確認しています。脆弱性を攻撃する RTF形式文書ファイルを添付したメールが海外を中心に拡散していました。
図1:全世界における「CVE-2017-0199」の脆弱性攻撃ファイルが添付されたメールの通数推移
(トレンドマイクロ「Smart Protection Network(SPN)」による)
しばらく鳴りを潜めていたランサムウェア「TorrentLocker(トレントロッカー)」(「RANSOM_CRYPTLOCK.DLFLVV」、「RANSOM_CRYPTLOCK.DLFLVW」、「RANSOM_CRYPTLOCK.DLFLVS」、「RANSOM_CRYPTLOCK.DLFLVU」として検出)が、2017年2月下旬以降、再び活発化しています。これらの亜種は、クラウドストレージサービス「Dropbox」のアカウントを不正利用して拡散します。この新しいタイプの攻撃は、ランサムウェアによる「攻撃の手口や標的が多様化する」という、トレンドマイクロによる 2017年の脅威予測と合致しています。
続きを読む「サービスとしてのランサムウェア(Ransomware as a Service、RaaS)」として「Encryptor RaaS」(「RANSOM_CRYPRAAS.SM(クリプラース)」として検出)が初登場したのは、2015年7月にさかのぼります。この RaaS は、同じく金銭の窃取が目的の「Tox」や「ORX Locker」のような RaaS に匹敵するか、あるいは後継種になるかと予測されました。「Encryptor RaaS」は複数のオペレーティングシステム(OS)に対応し価格設定が手頃であったため、新参のサイバー犯罪者が初めて利用するには好都合であったことなどから、影響範囲が拡大する恐れがありました。この RaaS は、購入者によるカスタマイズによって攻撃手法が多様に変化する、という特徴から、ユーザや企業にとって軽視できない脅威となりました。
続きを読むランサムウェアは、手っ取り早く稼ぐ手段としてサイバー犯罪者の間で依然人気が高いようです。そして、次々に新しいファミリや亜種が拡散されています。今回トレンドマイクロは、暗号化型ランサムウェア「R980」(「RANSOM_CRYPBEE.A」として検出)を新たに確認しました。
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