2016年に入り、ランサムウェアが一層の猛威を振るっていますが、その裏で国内ネットバンキングを狙うオンライン銀行詐欺ツールも活発化が見られています。トレンドマイクロではこの 5月末以降、オンライン銀行詐欺ツール「URSNIF(アースニフ)」の電子メール経由での拡散を国内で確認しました。トレンドマイクロの調査では、今回拡散している「URSNIF」(別名:GOZI)では、地方銀行などの中小金融機関を中心に 40件弱の国内ネットバンキングを狙うものも確認されています。
2016年5月18日(米国時間)、暗号化型ランサムウェア「CRYPTESLA」(別名:TeslaCrypt、「RANSOM_CRYPTESLA」として検出)が活動を停止し、復号に必要なマスターキーが無料で公開されました。このランサムウェアに関連する脅威状況の一大事件の裏で、CRYPTESLA が利用していた手口を再利用しようとするサイバー犯罪者がいるようです。この事例に先立って、4月に、従来のランサムウェア「REVETON」の背後にいるサイバー犯罪者集団が新たに「Angler Exploit Kit(Angler EK)」および「BEDEP」を利用して暗号化型ランサムウェア「CryptXXX」(「RANSOM_WALTRIX」として検出)を拡散する報告がありました。
続きを読む「身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)」は、今日の脅威状況では既に目新しい脅威ではありません。そして、継続して機能を拡充して被害を拡大させています。「PETYA」「Mischa」「Locky」「7ev3n」「TrueCrypter」といった新しい暗号化型ランサムウェアによる攻撃が日常的にニュースとなっています。しかし今回、興味深い事実が確認されました。暗号化型ランサムウェア「CRYPTESLA」(別名:TeslaCrypt、「RANSOM_CRYPTESLA」として検出)の作成者が活動停止を決め、復号のためのマスターキーを無料で公開したのです。
続きを読む人生で避けられないのは死と税金、と言われますが、サイバー犯罪についても同じことが言えそうです。米国では確定申告の締切が近づき、何百万という人が申告書類を準備している時期です。サイバー犯罪者は、この確定申告という好機を見逃さず利益を得ようと、納税者を狙った様々な攻撃を行っているようです。トレンドマイクロでは、確定申告に関連した、偽の送金指示メール「Business E-mail Compromise(BEC)」の攻撃による被害にあった企業の最近の事例を確認しています。そして今回、インターネット上で恐喝するサイバー犯罪者もこの騒動に加わったようです。
続きを読むボットネットやコマンド&コントロール(C&C)サーバが閉鎖されたとしても、サイバー犯罪活動が一掃されるわけではありません。2013年12月5日のボットネット「ZeroAccess」の閉鎖は、ボットネットのクリック詐欺活動に影響を与えはしたものの、感染の確認は続きました。DRIDEX についても同様で、2015年10月13日、複数の C&Cサーバが閉鎖されたにも関わらず、現在も企業や組織に大きな影響を与える脅威です。トレンドマイクロでは、この DRIDEX の2015年脅威状況について「2015年 年間セキュリティラウンドアップ」で報告しています。
続きを読むトレンドマイクロは、2016年3月13日以降、米国を狙う「malvertisement(不正広告)」の大規模な攻撃を確認しています。この攻撃により最終的に、Angler Exploit Kit(Angler EK)を使用した脆弱性攻撃サイトに誘導され、不正プログラムに感染することになります。この不正広告に汚染された Webサイトには、大手ニュースサイト、芸能ポータルサイト、政治論評サイトなどが挙げられ、この 24時間以内だけでも、のべ数万ものユーザがアクセスしていることが判明しています。弊社の解析によれば、問題の不正広告は、高い閲覧数を誇る人気の Webサイトの広告ネットワークが改ざんされたものとわかりました。
なお、人気の Webサイトのほとんどから不正広告は、3月15日(日本時間)時点で削除されており、3月16日時点でこの攻撃の停止を確認しています。ただし、攻撃インフラを更新している可能性もあるため、トレンドマイクロでは、引き続き動向を監視しています。
続きを読むエクスプロイトキットは2015年の脅威状況において、脅威連鎖の中核的存在でした。新たな脆弱性を素早く攻撃可能にすると同時に、「malvertisement(不正広告)」や改ざんされたWebサイト経由で広範囲に攻撃が拡散されていました。本ブログでは、これらのエクスプロイト動向についてトレンドマイクロが行った分析について2回に分けて報告いたします。第1回の今回は、新たに確認された脆弱性からエクスプロイトキットを利用した攻撃の一部として用いられた新しい手法など2015年におけるエクスプロイトキットの「改良」について、第2回は、トレンドマイクロのクラウド型対策技術基盤「Smart Protection Network(SPN)」から のフィードバックをもとに、エクスプロイトキットが与えた影響の規模、また、最も影響を受けた国や地域について報告します。
続きを読むイギリス大手新聞インデペンデント紙のメディアサイト「The Independent」の改ざん被害が確認されました。トレンドマイクロの調査によれば、サイトは日本時間 12月9日12時時点で改ざん被害が継続しており、複数の不正プログラムが拡散されている状態です。この改ざんにより、数百万人のサイト読者が不正プログラム感染のリスクにさらされる可能があります。本件についてはトレンドマイクロから既に「The Independent」へ報告し、サイト側と事態の収拾を図っています。サイト側では、ニュースサイトのスタッフが迅速に対応し、当該サイトとユーザに及ぶ影響を回避する対策を講じています。
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