攻撃者は既存のウイルス対策を免れるために、攻撃ごとに新たにマルウェアを作成して使用します。このような攻撃から利用者を保護するために、新種や亜種のマルウェアのような未知脅威を効果的に検出する手法の必要性が高まっています。トレンドマイクロは、ファイル間の類似性を効率良く比較することが可能なハッシュアルゴリズム「Trend Micro Locality Sensitive Hashing (TLSH)」と機械学習を用い、インターネット上で収集した仮想通貨発掘マルウェアの検体をグループ化(クラスタリング)することにより、類似したマルウェアや修正が加えられたマルウェアでも検出可能とする対策技術を開発しました。この TLSH の実装はオープンソースのプロジェクトとして公開されています。一般に、マルウェアは SHA 256 等のハッシュ関数で算出した値に基づいて識別しますが、少しでもデータが異なるとまったく異なる値が算出されるため、マルウェアの類似度を判断することは困難です。しかし、TLSH で算出したハッシュ値や挙動等を用いたマルウェアのクラスタリングにより、SHA 256 等で計算されるハッシュ値が異なっていても、類似したマルウェアや修正が加えられたマルウェアを検出することが可能になります。
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