2018年10月下旬、セキュリティ企業「Cymulate」のセキュリティリサーチャは、Microsoft Officeのオンラインビデオの埋め込み機能を攻撃者に悪用された場合にマルウェアの拡散が可能になる概念実証(Proof of Concept、PoC)を発表しました。トレンドマイクロは、実際にこの手法を利用して、情報窃取型マルウェア「URSNIF(アースニフ)」(「TSPY_URSNIF.OIBEAO」として検出)を拡散するマルウェア(「TROJ_EXPLOIT.AOOCAI」として検出)を、オンラインスキャンサービス「VirusTotal」で確認しました。
続きを読む2017年5月19日の本ブログ記事でも取り上げた大規模なメール拡散事例など、国内ネットバンキングを狙う不正プログラムの活動が再び活発化しています。実際に拡散されるオンライン銀行詐欺ツールは、「URSNIF(アースニフ)」(別名「DreamBot(ドリームボット)」)に集中しており、現在日本のネットバンキングを狙う不正プログラムとして中心的な存在となっています。この 5月中旬の大規模メール拡散事例以降に入手した「URSNIF」の活動を解析したトレンドマイクロのエンジニアは、「Bootkit(ブートキット)」と呼ばれる特殊な不正プログラムをコンピュータに感染させ、自身の感染の痕跡を消去する巧妙な活動の存在を突き止めました。メール経由の拡散の活発化とほぼ同時に、新たに巧妙な活動を取り入れた亜種が登場したことになります。
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