2015年6月、ステガノグラフィを利用する「Stegoloader」と呼ばれる不正プログラムの感染が、北米の医療関連企業を中心に確認されたことが報告されました。2012年から活動が確認される「TROJ_GATAK」として知られるこの不正プログラムは、ステガノグラフィの手法を用いて画像ファイル(拡張子 PNG)にコンポーネントを隠ぺいします。
「ステガノグラフィ」とは、検出や解析を回避するために、ある情報を他の情報の中に埋め込んで存在を隠ぺいする手法です。なお、トレンドマイクロでは、今年5月にステガノグラフィに関する記事を公開しています(1、2、3)。
弊社が、「Stegoloader」による最近の感染状況を調査したところ、過去 3カ月間に感染した PC の大半は米国(66.82%)で、チリ(9.10%)、マレーシア(3.32%)、ノルウェー(2.09%)、フランス(1.71%)と続きます。
また、同期間に最も影響を受けた産業は、医療、金融、製造の順となっています。
図1:過去 3カ月に「TROJ_GATAK」の影響を受けた産業別割合