10月23日、SANS Instituteが運営するインターネットストームセンター Handler’s DiaryにAdobe Acrobat / Reader 8.1の脆弱性(CVE-2007-5020)を悪用したPDFファイルがターゲット攻撃として悪用されている情報が公開されました。
SANS Handler’s Diary : PDF mailto exploit documents in the wild
すでに日本のWebメディアなどにも翻訳記事が紹介されています。
今回は、これまでの経緯とトレンドマイクロの対応状況について紹介させていただきたいと思います。
現時点(2007年10月25日 12:00現在)で、日本国内における「EXPL_PIDIEF.A」または「EXPL_PIDIEF.B」の流通、被害報告はありません。
しかしながら、実証コードの流通から5日後にウイルスが流通している点。なにより、修正プログラムのリリースから1日の猶予しかなく実害コードが流通したという点は管理者にとって大きな脅威であったといえます。 読者の中にはいままさに、修正プログラムの適用作業に追われている方もいらっしゃるのではと推測されます。
今回、この記事では一体誰が実害コードを拡散したのかという点に注目し、TrendLabsによって分析された結果をご紹介させていただきたいと思います。
問題のPDFファイルはメールによる拡散が確認されています。企業内で実際に流通しているような会計書類を装っています。
PDFファイル名についても同様の意図が読み取れます。
悪意あるPDFファイルはウイルスドロッパーとして動作します。ファイルを開き、脆弱性が悪用されることで、「ldr.exe」という「TSPY_PAPRAS.CF」トロイの木馬型スパイウェアがダウンロードされます。更に、Windows Firewallを無効にする周到な振る舞いを確認しています。
今回、我々が注目したのは「TSPY_PAPRAS.CF」がアップロードされているサーバです。 我々が8月末に確認した事例と同じサーバが攻撃に使用されていたのです。
TrendLabs Malware Blog : More Russian Uprising: New IFrames and n404 Web Threat Kit
今回のみならず、このサーバはRussian Business Networkに属し、脅威の形を変えて、たびたび被害を拡散しています。
先に紹介した、Vector Markup Language(VML)の脆弱性を狙ったゼロデイ攻撃。 CoolWebSearch、Snifula、UrSnifといったスパイウェアの拡散。
米国内においては、その脅威が一般紙であるワシントンポストのオンライン版(2007年10月13日付け)にも紹介されました。
washingtonpost.com : Shadowy Russian Firm Seen as Conduit for Cybercrime
ウイルス解析担当者はRussian Business Networkのようにウイルスの感染源となるWebサイトかどうかを複数の情報から判断しています。具体例としては、下記のような項目が挙げられます。
すべての利用者がこれらの情報を収集でき、そこから判断することができればWeb経由のウイルス感染を含め、脅威の低減が期待できます。しかしながら、利用者自身がこのような情報を収集・判断するためには、高い技術力と高度な解析装置が必要になってしまうのが現実です。 このため、セキュリティベンダーには透過的に「Webからの脅威」への対策を実現できる技術の提供が求められてきました。
その技術としてトレンドマイクロが提供しているのが、「Webレピュテーションサービス」です。
Webレピュテーションサービスとは、HTTP接続する際に、接続先サイト(ドメイン)のレピュテーション(評価)を参照し、接続を制御する技術です。
Russian Business Networkが信頼ならないという情報も過去の実績に基づき、PDFファイルアタックの前に反映されています。
今回のPDFファイルアタックでは、従来の静的なURLフィルタリングやパターンマッチングなどでは限界が見られる脅威であっても、多層的なソリューションによって防御力を維持できることを改めて認識させられる事例でした。
This entry was posted on 木曜日, 10月 25th, 2007 at 2:41 pm and is filed under スパムメール, スパイウェア, セキュリティホール, 新種ウイルス . Responses are closed, but you can trackback from your own site.
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